メニュー

ホームセメントとは>セメントができるまで(製造工程)

 

セメントができるまで(製造工程)

 
図の拡大

 

  原料工程


  ポルトランドセメントの原料は、石灰石、粘土、けい石、酸化鉄原料(銅からみ、硫化鉄鉱からみ、他)、せっこうに分類され、そのほとんどは国内で入手できます。特に、一番多量に使う石灰石については、北海道から沖縄県までの全国各地に高品位の石灰石鉱山が点在しています。これらの原料を調合し、「原料粉砕機」(原料ミル)で粉砕します。原料粉砕機は現在、乾燥、粉砕、粗粉と微粉との分級の3つの機能を合わせもつ「たて型ミル」が主流となっています。

  セメント1tの製造に必要な原料は、おおよそ石灰石1,100kg、粘土200kg、その他原料100〜200kgです。セメントの主要成分(CaO、Al3、SiO、Fe)を含む物質は、原料として使用可能なことから、製鉄所からの副産物である高炉スラグ、石炭火力発電所の石炭灰や、各種の廃棄物の有効利用を進めており、その量は約2,900万t/年にも及びます。これら多種多様な副産物、廃棄物を使いこなしながら、安定した品質のセメントを生産することはやさしい技術ではありません。設備の改善、運転管理技術の向上を中心にたゆまぬ努力を続けています。

 クリンカの焼成工程


    クリンカの焼成は、セメント製造の中心的な工程です。日本のセメント工場では、焼成効率を向上させるために、粉体原料を直接「ロータリーキルン」(回転窯)に送り込むのではなく、プレヒータを通過させてから送り込む方式を採用しています。こうしてロータリーキルンに送り込まれた原料は、1,450℃以上の高温で焼成されます。この過程で原料は徐々に化学変化し、水硬性をもった化合物の集まりであるクリンカとなります。

  焼成用熱エネルギー源として使われた石炭や廃棄物等の灰分もクリンカに取り込むので、二次廃棄物はまったく生じません。その後、クリンカは冷却機(クーラ)に入り急冷されます。クリンカを冷却して熱くなった空気は、キルンや仮焼炉の燃焼用空気として利用します。また、プレヒータの排ガスも原料の乾燥や排熱発電に無駄なく利用します。

 仕上工程


  仕上工程はできあがったクリンカを粉砕して最終的な商品である粉末状のセメントにする工程です。セメントは、クリンカにせっこう、混合材を添加して微粉砕(平均粒径10μm程度)して製造します。せっこうはセメントの硬化速度を調整するためのものですが、火力発電所などの排煙脱硫で発生する排脱せっこうや、いろいろな化学工業から発生する副産せっこうが使用され、有効に活用されています。

  粉砕に使う粉砕装置は、仕上粉砕機(仕上ミル)と呼ばれ、円筒状のドラムの中で鋼鉄のボールとクリンカ、せっこうがドラムの回転によって互いに衝突しながら粉砕されます。粉砕機を出た粉は、「セパレータ」という分級機で粗粉と微粉に分けられ、粗粉は再び粉砕機に戻します。微粉は所定の細かさをもつ完成したセメントとして取り出します。粉砕効率の改善を図るため、予備粉砕機の導入も進めています。これにより粉砕機(仕上ミル)能力が約50%向上し、セメント1t当たりの消費電力を20〜40%低減することが可能です。混合セメントは、高炉水砕スラグの微粉末やフライアッシュ(JIS規格品の石炭灰)を一定比率混合したセメントで、省資源・省エネルギーにも有効です。こうして製造したセメントは、種類ごとに「セメントサイロ」に貯蔵し、ユーザーや全国各地のサービスステーションに輸送されます。

  品質管理


  原料工程では、各原料の受入れ時に水分や化学成分を測定します。調合原料は、蛍光X線分析装置により化学成分が定量され、原料成分制御システムにより目標値に調整できるように厳密に管理しています。これらの過程を経ることによって、廃棄物等を多量に使用しても高品質のセメントが製造できるのです。仕上工程では、セメントの細かさの測定や化学成分の分析をして、仕上ミルの調整を行います。さらにセメントの強さ試験なども行って品質をチェックします。わが国のセメント工場は会社はすべてISO9000s(品質マネジメントシステム)の認証を取得しており、これらの品質管理体制をシステム化して運営しています。