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セメント・コンクリートと安全

 

  アルカリ性


  セメントは、水と接すると水酸化カルシウムを生じるため、アルカリ性を示します。そのために、目・鼻や皮膚に対して刺激性があり、長時間付着した状態が続くと、角膜、鼻の粘膜や皮膚に炎症を起こす可能性があります。したがって、セメントを取扱うときには、目・鼻や皮膚へのセメントの接触を避けるための適切な保護具(手袋、長靴、保護メガネ、防護マスクなど)を着用したり、換気する必要があります。また、取扱い後には顔、手、口などを水洗することをおすすめします。硬化したモルタルやコンクリートでは、皮膚と接触しても炎症を起こすことはありません。その理由は、通常、モルタル、コンクリートの表層の微細な空げきに存在する水酸化カルシウムは空気中の炭酸ガスと反応して、中性の炭酸カルシウムになっているからです。

  発塵


  セメントは、平均粒径が10μm程度の微粉末なので、混合や散布のときに発塵しやすくなります。そこで、セメントを多量に扱ったり発塵の可能性がある場所には、密閉するためのカバーや集塵機の設置をおすすめします。発塵環境下で長時間作業して多量のセメントを吸引すると、塵肺になる可能性もあります。したがって、発塵が予想される環境下では、防塵対策を施してから作業してください。

  微量成分


表‐1 地殻の岩石における元素の平均含有量(mg/kg)

図-1 硬化コンクリートからの六価クロム溶出試験結果(セメント協会調査)
 
  セメントの原料(石灰石、粘土、けい石)や燃料の大半は地殻に存在する天然資源です。表から推測できるように、セメントには主構成元素のほかに微量元素も含まれており、これを避けることは不可能です。セメントと水を練り混ぜた場合、これらの微量成分の中で六価クロム(Cr+)を除く成分は、アルカリ性の水溶液中で水酸化物として沈殿したり、溶解度のきわめて小さい化合物になったり、セメント水和物中に固定されるため、ほとんど溶出しません。六価クロムはアルカリ領域で陰イオン(CrO2−)として挙動します。

  そのため、セメントを利用する設備の洗浄水などには、六価クロムイオンが検出される可能性があります。その濃度は、水質汚濁防止法で規制されている排水施設からの排出基準である0.5mg/l  に達していることも起こり得ます。万一、規準を上回る場合は還元剤を添加するなどの処理をして排出する必要があります。

  硬化コンクリートを20mm以下に砕き、pHを調整した水に入れて6時間連続振とうさせる方法で六価クロムを溶出させた試験結果の一例を図に示します。図からわかるように、溶出がきわめて生じやすい条件下でも、硬化したコンクリートやモルタルからの六価クロム溶出量は、上水道の水質基準と同一規制値である環境基準値以下なので、環境への影響はないといえます。なお、セメント中の六価クロムに過敏な体質の人が直接触れると、皮膚にアレルギーを発生させることもあるといわれています。

  セメント業界ではセメント生産時の自主規制値(水溶性六価クロム量で20mg/kgを上限値とする)を定めるとともに、引き続きその低減対策に取り組んでいます。セメントやコンクリートは、常識的な取扱いと管理をしていれば、人体にも地球環境にも安全な製品です。セメント産業はこれからも広範な分野から排出される多種多様の廃棄物を、工夫をこらして無害化処理しながら、さらにすばらしい性能の製品を製造していきます。