よくある質問:製造工程(生産技術、省エネ設備)、廃棄物・副産物利用等について


製造工程(生産技術、省エネ設備)
Q6.セメント製造における省エネにはどのようなものがあるのか?

廃棄物・副産物利用

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Q1. セメント製造において、廃棄物・副産物はどのように利用されているのか?
A1.  セメント産業における廃棄物・副産物の利用は、用途によって「クリンカーの原料の代替」、「焼成時の熱エネルギーの代替」、「セメントの混合材や添加材」に大別されます。その中でも主な用途は「原料の代替」、「熱エネルギーの代替」として用いることです。
 【参照】「廃棄物・副産物の有効利用」の表-1をご覧ください。
 http://www.jcassoc.or.jp/seisankankyo/seisan01/seisan01a.html

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Q2. なぜ廃棄物・副産物が利用できるのか?
A2.  セメントの製造では、まず、セメントの中間製品であるクリンカーを製造しています。このクリンカーは、水と反応して硬化する特性を有する化合物で主に構成されており、そのような組成とする目的で、カルシウム、けい素、アルミニウム、鉄等の元素が所定の割合となるように石灰石、粘土質原料等の原料を調合し、高温で焼成して製造されています。この高温での焼成の過程で原料は分解されるため、クリンカーの製造に必要な元素をある程度含む材料であれば、元の組成に係らずクリンカーの原料に用いることができます。例えば、古くから用いられてきた天然の粘土は、今ではほとんどが火力発電所の石炭灰、下水汚泥などに置き換わっています。
 また、クリンカーの焼成用のエネルギーとして、可燃性の廃棄物も利用しています。特に、可燃性の廃棄物は単純焼却では灰分のような残さが発生しますが、セメントの製造に用いられた場合、その残さはクリンカーの原料として使われクリンカーに取り込まれるため、最終的に廃棄物が発生しないことになります。 【参照】「廃棄物・副産物の有効利用」の「資源の効率的利用としての廃棄物の利用」をご覧ください。
 http://www.jcassoc.or.jp/seisankankyo/seisan01/seisan01a.html

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Q3. セメント産業が廃棄物・副産物を利用することによってどのような効果がありますか?
A3.  Q2で説明いたしましたように、セメント製造に廃棄物・副産物を利用した場合、二次廃棄物を発生させません。この特徴を生かして、セメント産業は種々の産業、社会インフラ等から廃棄物・副産物を受入れてセメントを製造することにより、天然資源の節約と共に、限られた資源を有効に使うことにより循環型社会の構築の一翼を担っています。またその結果、産業廃棄物の最終処分場の延命がもたらされていると考えております
 また、仮定の話ではありますが、もし、セメント産業の廃棄物受け入れが止まった場合、今まで受け入れられてきた廃棄物は行き場を失い、「処分」する必要が生じ、処分場を確保しなければなりません。日本は国土が狭く、処分場も限りがあり、大きな問題となる可能性があります。
 言い換えますと、セメント産業が種々の産業、社会インフラ等から廃棄物を受入れ、新たに廃棄物を出さないことは、本来、その廃棄物が処分された時に使用される最終処分場を保存したことにつながります。これによって最終処分場の残余年数が伸びていると考えられます。セメント協会ではその残余年数の延びを延命効果として試算しています。
 【参照】「廃棄物・副産物の有効利用」の「有効利用量の推移」、「産業廃棄物の最終処分場の延命化」をご覧ください。
 http://www.jcassoc.or.jp/seisankankyo/seisan01/seisan01a.html

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Q4. 最近、災害で発生した廃棄物がセメント製造に利用されているとの話を聞いたのですが、本当ですか?
A4.  東日本大震災では東北地方のセメント工場を中心に約110万tの災害廃棄物を処理しました。(なぜ災害廃棄物を利用できるかについてはQ2をご参照ください) 出所:ウェブサイト「環境省/災害廃棄物対策情報サイト/平成23年3月東日本大震災における災害廃棄物の処理について/災害廃棄物処理の進捗管理」における「処理実績/(3)災害廃棄物の処理の内訳」
 http://kouikishori.env.go.jp/archive/h23_shinsai/implementation/progress_management/
 この貢献を踏まえ、セメント協会は2015年9月発足した環境省の災害廃棄物処理支援ネットワーク(D.Waste-Net)に参画しております。2016年4月、不幸にも熊本県におきまして大規模震災が発生し、同ネットワークを通じて「熊本県における災害廃棄物の適正かつ迅速な処理について(協力依頼)」を受理しました。セメント産業は、地震においてお亡くなりになられた方々に対しての心よりお悔やみ、被災された方々への心よりのお見舞いを申し上げるとともに、対応可能な個々の会員会社で災害廃棄物の受入・処理が行われ、被災地の一日も早い復興に向け尽力しております。
 【参照】「平成28年熊本地震により発生した災害廃棄物に関するセメント産業の処理量について -中間報告-」
 http://www.jcassoc.or.jp/cement/4pdf/20170301.pdf

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Q5. 廃棄物を受け入れてほしいがどこへ問い合わせればよいか教えてほしい。
A5.  具体的な廃棄物の受け入れの可否に関しては個別のセメント会社にお尋ねください。その際、まず、お近くにあるセメント工場を有する社にお聞きするのがよろしいと存じます。
 【参照】「全国のセメント工場めぐり」 http://www.jcassoc.or.jp/cement/1jpn/jc.html#02

製造工程(生産技術、省エネ設備)

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Q6. セメント製造における省エネにはどのようなものがあるのか?
A6.  セメント製造工程は、これまで生産効率とエネルギー効率の両方を考慮に入れながら改良を重ねてきた結果、予熱装置を有する回転窯による乾式の製造様式が世界的にもっともよいものとして用いられるようになり、日本では1997年にすべてのセメント工場がこの様式に転換されています。
 上記改良に加えて、以下のページでは更なる省エネルギー対策を説明していますので、ご参照ください。
 【参照】「セメントができるまで(製造工程)」 https://www.jcassoc.or.jp/cement/1jpn/jd1.html#02
     「省エネルギー対策」 http://www.jcassoc.or.jp/seisankankyo/seisan02/seisan02a.html