セメント系固化材とは


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セメント系固化材とは

  従来の石灰やセメント等では固化させにくい土質や現場の条件に対応するために開発され、下図に示すように位置づけられます

セメント系固化材の種類

種 類 特 徴
汎用固化材 一般軟弱土用 軟弱地盤(砂質土・シルト・粘土・火山灰質粘性土)に幅広く使用できる固化材
特殊土用 改良土からの六価クロム溶出を抑制する効果がある固化材
高有機質土用固化材 腐食土・有機質土・ヘドロなど有機物含有量の多い土に効果がある固化材
発塵抑制型固化材 粉体で使用した場合に発塵の少ない固化材
 

セメント系固化材の物流の仕組

主な用途

浅層改良

深層改良

ヘドロの固化処理

セメント系固化材の取り扱い上の注意点

(1)使用の制限

a.目的外使用の制限

セメント系固化材は、モルタル・コンクリートに用いてはいけません。
用途範囲外に使用すると、結合水の不足による硬化不良や未水和の固化材が降雨等により吸水すると膨張を起こすことがあります。
また、過剰な添加や混合不良の場合にも膨張を起こす可能性がありますのでご注意ください。

b.種類の選定

セメント系固化材には、「一般軟弱土用」、「特殊土用」、「高有機質土用」、「発塵抑制型」などの種類があります。
ご使用に際しては、固化対象に適合したものを選定してください。
適正な選択が行われなかった場合は、硬化不良や膨張などを起こす可能性があります。

C.六価クロムの溶出量の確認

セメント系固化材には、極微量のクロム化合物が含まれおり、これを用いた改良土からは、土壌環境基準を超える六価クロムが溶出する場合があります。
ご使用の際には、事前に溶出試験を行って溶出量を確認してください。

(2)荷姿

セメント系固化材には、紙袋・フレキシブルコンテナ・バラの荷姿があります。
施工規模や使用方法等の現場条件に合ったものを選択してください。

(3)貯蔵

セメント系固化材の貯蔵は、通常のセメントと同様に水分や湿気にご注意ください。
施工現場にセメント系固化材を貯蔵する場合は、パレット等の上に置き、地面に直接置かないようにしてください。
また、降雨の恐れがある場合や湿度が高い場合はビニールシート等で覆ってください。

(4)施工時の留意点

a.散布

セメント系固化材の散布にあたっては、飛散に注意してください。
市街地、精密機械工場や田畑等、飛散が問題となる可能性がある場合には、低い位置での排出を心掛けてください。また、発塵抑制型を使用するか、スラリーによる施工等をご検討ください。
なお、均一な散布や所定量を正確に散布することも、施工品質上重要となります。

b.混合

セメント系固化材と対象土の混合は、改良の効果に大きな影響を与えるので留意が必要です。
混合の程度は、土質・施工機械などにより大きく左右されるので現場条件に即した施工を行うようにしてください。

C.フレキシブルコンテナの取扱い

フレキシブルコンテナは重量物用容器であるため、安全管理に十分配慮して作業を行ってください。
工事現場で不用となったフレキシブルコンテナは、産業廃棄物に該当します。
よって、処理責任は廃棄物を発生させたもの(通常は施工業者か施主)が処理責任を有しますので、ご留意ください。
運送業者などに委託することは、運送業者が収集運搬業の許可がない場合は違法となりますのでご注意ください。

(5)安全衛生上の留意点

各メーカーより、「製品安全データシート(MSDS)」が提出されているので、使用前には必ずお読みください。
セメント系固化材は、水に濡れると水酸化カルシウムを生じ、強いアルカリ性を呈し、皮膚・目・呼吸器等を刺激したり粘膜等に炎症を起こす場合があります。特に目に入った場合は、速やかに水で洗浄し、専門医の診察を受けてください。また、六価クロムに対して過敏な場合は、セメント系固化材を使用するとアレルギーを起こす可能性がありますのでご注意ください。ご使用に際しては、適切な保護具(手袋、長靴、保護めがね、防塵マスク等)を着用するようにしてください。

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