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渡月橋(京都府京都市)

2013年9月12日、関西地方を中心に大きな被害をもたらした台風18号は、京都府北部の山間地にも大量の雨を降らし、保津川〜桂川の水位を一気に引き上げた。その結果、嵐山一帯は洪水となり大量の流木や岩石がこの渡月橋に襲い掛かったが、水が引いた数日後には飾り部分に一部破損を受けたものの通行可能になった。鉄筋コンクリート(RC)構造の渡月橋は洪水に流されることなく立ち続けたのである。
 一般的にはそのスリムな構造の上に木造の欄干を設置し、桁まわりをヒノキ板で化粧していることから「木橋」のイメージが強いため、1934(昭和9)年竣工のRC橋であることは知られていないようだ。
 竣工から80年を経てなお、賑わいを見せる渡月橋は、橋上から望む小倉山の春は桜、秋は紅葉、そして足下を流れる桂川に心身ともに癒されようと今日も人々が行きかう姿が後を絶たない。

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