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ここでは、セメントが生まれたきっかけを案内するよ。 |
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セメントの歴史はずいぶん古く、約9,000年も前の、新石器時代にさかのぼると言われてるんだよ。今のイスラエルのガリラヤ地方のイスタフで発掘された住居のゆかやかべから、げんざいのコンクリートににたものが発見されたんだって。
また、中国では約5,000年前の住居あとが見つかっているけれど、このゆかにも、「料きょう石」と言う、炭酸カルシウムが主な成分の、ねん土分などもふくんだ石から作ったセメントににたものが使われていたんだって。
紀元前2600年ごろに作られた古代エジプトのピラミッドや、その後の古代ギリシャ・ローマ時代のたてものにも、石と石をくっつける材料に、セメントににたものが使われているよ。
それらは、石灰・火山灰などに、砂や泥などをまぜて作った結合材で、広い意味では「セメント」といえると思うんだけれどね。
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セメントは、ずいぶん昔からあったんだね。
じゃあ、今使われているようなセメントは、いつ生まれたんだろう?
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げんざいわたしたちが使っている、ビル・橋・ダムを作るような、品質のよいセメントは、多くが「ポルトランドセメント」あるいはポルトランドセメントに他の「混合材」をまぜて作った、何種類かのセメントをさしているんだよ。このポルトランドセメントは、18世紀の産業革命の時代に、イギリスで発明されたんだよ。
たくさんの学者や技術者によってセメントの発明をうながす研究が行なわれたんだけれど、ここでは、中でも大きな功績をあげた2名を紹介しようね。
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●1756年 ジョン・スミートン ⇒ |
火事で燃えたエジストーン灯台を作りなおす工事の時に、ねん土分を多くふくんだ不純物の多い石灰石をやいて作った材料が、すいこうせい(水硬性=水の中で強く固まりつづけ、くずれないせいしつ)が強いことをこの年に発見しました。
これによって、それまで長い間、ねん土分などをふくまず、石灰分の純度の高い石灰石ほど、よい結合材になると信じられていたのですが、それがまちがいであったことが証明されたのでした。
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●1824年 ジョセフ・アスプディン ⇒
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石灰石をくだいてやいたものにねん土をまぜ、水を加えて細かくくだき、さらに炉でやいて粉砕したセメントを発明して、この年に特許をとりました。
このセメントでできた人造の石が、そのころイギリスで建築用にさかんに使われていた、ポルトランド岬から産出される石材に大へんよくにていたことから、このセメントを「ポルトランドセメント」と名づけました。
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その後、各国の学者たちによって、セメントの成分や、製造方法について、科学的な研究が進められたんだって。そして、今ではセメントの品質も、発明したころとはひかくにならないほど、よいものができるようになったんだよ。
また、それぞれの国でのセメント作りが一つの産業としてできあがったのは19世紀後半いこうで、イギリスは1825年、フランスは1848年、ドイツは1850年、アメリカは1871年、日本は1875年からだよ。
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